テンペスト(ネタバレ注意)

2008年09月19日

■「テンペスト(池上永一)」を読む。

舞台は徳川時代末期のころの琉球。
男を待望する家庭の中で、女として生まれてしまったために空気のように扱われきた真鶴。
非凡な才能を持ちながら全く活かせずにいたが、ある日、失踪した兄の代わりに男(宦官という設定)として立身出世することに。
真鶴の波乱万丈な生き方を綴りつつ、琉球王国の終焉までが描かれている。

イメージBGM「天国より野蛮」。というと何かガラス細工のようなイメージだが、骨太。
シャングリ・ラの時もそうだったけど、ギリシア神話か何かの神々の活躍を読んでるような気持ちになる。
どん底に落とされる→奇跡の逆転→まだどん底→逆転→どん底→…
って感じで、ほんと嵐のようだ。

女が男として男の世界で生きる、というのは少女漫画とかでよく使われる話ではあるけれど。
実は女、という主人公の弱みを握った人間の脅すやり方がえぐいよ。
あと、物語中盤で出てくる中国の宦官が驚きの生理的嫌悪感。
その一方で心強い友人もいて良い。

全体としては因果応報っぽく進んで行き、ラストの締め方まで含め気持ち良く読み終わった。

面白いのでおすすめ。(シャングリ・ラは10月25日文庫版発売のようだ→http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200807000338



■あと、シャングリ・ラがアニメ化のよう。これは嬉しい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080910-00000026-maiall-ent

漫画化もされてたんだー、とか今更ながらに知る。単行本になったら買おうかなー。


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Posted by やたろ at 19:49│Comments(0)読んだ本
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